『ふたりは ともだち』
アーノルド ローベル さく
三木 卓 訳
英語『Frog and Toad Are Friends』
By ARNOLD LOBEL
カエルくん(緑色のカエルFrog)とアマガエルくん(茶色のカエルToad)の日常を5つの物語で描いてます。あなたにとって友達とはどんな存在? そんな問いに答えてくれる物語です。
1『Spring』
1.春がきた
あらすじ
4月のある日、アマガエルくん(Frog)がヒキガエルくん(Toad)の家へ遊びに行くとヒキガエルくんの家は電気が全く点いてなくて真っ暗。アマガエルくんは、暖かくなった森へ行き、ヒキガエルくんと一緒に遊びたいのですが、ヒキガエルくんはもう少し眠っていたいようです。「5月半ばになったら起こしに来て」とヒキガエルくんに言われたアマガエル君の行動とは。
〇物語に使われてる文法
自動詞lie(横になる)
みなさんは中学、高校生の時に下の文法書を見たことがありませんか。
この物語では、自動詞lieが使われてます。
左側のページ
Frog(アマガエルくん)は家の中へ歩いた。
そこは暗かった。
全てのシャッターが閉まっていた。
「Toad(ヒキガエルくん)、どこへいるんだい?」 とFrog(アマガエルくん)が問いかけると
「あっちへ行っておくれよ」と部屋の隅から声がした。
Toad(ヒキガエルくん)は眠っていた。
Toad was lying in bed.
自動詞(うそをつく)の分詞形と形が同じです。この文章の場合は横になっていた(眠っていた)と訳することができます。
2.『Story』
2.「おはなし」
あらすじ
夏のある日、ヒキガエルくん(Toad)はアマガエルくん(Frog)の顔色が良くないことに気がつきベッドで休むことを提案します。アマガエルくん(Frog)は、ベッドに横になると「物語を聞きたいな」とヒキガエルくん(Toad)にお願いします。ヒキガエルくんは、アマガエルくんのために物語を考えるけれど全く思い浮かびません。逆立ちをしたり、頭に水をかけたり、頭を壁にドシンドシンとぶつけたり。。。
そうしているとヒキガエルくんの具合が悪くなりました。少し休んで元気になったアマガエルくんは「僕が物語を話すよ」と語り始めます。どんな物語を聞くことができるのでしょうか。
〇物語に使われている文法
自動詞look(~に見える)
lookは「見る」以外に「~に見える」という意味も表します。
左側のページ
夏のある日、Frog(アマガエルくん)は気分がよくなかった。
Toad(ヒキガエルくん)が「Frog(アマガエルくん、顔色がかなり緑色に見えるよ。」言うと
Frog(アマガエルくん)は「僕はカエルだから。(緑色なのは当たり前だよ。)」と答えた。
Toad(ヒキガエルくん)は「カエルにしては、とても緑色に見えるんだよ。」「僕のベッドに入って休むといいよ」というと、Frog(アマガエルくん)へ1杯のお茶を入れた。
“You are looking quite green.”
「あなたは緑色を見るよ」でなく、「あなたは緑色に見えるよ」と訳します。
3.『A LOST BUTTON』
3.「なくした ボタン」
あらすじ
Frog(アマガエルくん)とToad(ヒキガエルくん)が森の中と川沿いを歩いて帰ったとき、Toad(ヒキガエルくん)はジャケットのボタンが1つ外れてることに気がつきます。Toad(ヒキガエルくん)はFrog(アマガエルくん)と一緒に歩いてきた道を探すけれど、道に落ちているボタンは、形や色が違うものばかり。ボタンは偶然外れてしまったので、アマガエルくんが悪いわけでもヒキガエルくんが悪いわけでもないけれど、ヒキガエルくんはボタンが見つからないことにイライラしてジタバタ。ボタンはどこに落ちてるのでしょうか。
〇形容詞の使い方
Frog(アマガエルくん)が「ここに君のボタンがあるよ」と教えると
Toad(ヒキガエルくん)は「それは僕のボタンじゃないよ」と答えた。
「そのボタンは黒いだろう。僕のボタンは白いんだ。」そういって、ヒキガエルくんは黒いボタンをポケットに入れた。
ヒキガエルくんのボタンを探すとき、ボタンの色が違う、穴の数が違う、大きさが違う、形が違う、暑さが違うと上に書かれた会話と似た会話が繰り返されます。
ヒキガエルくんが探しているボタンは ”白くて、4つ穴が開いていて、大きくて、丸くて、厚い”ボタン。
英語では ” a white, four-holed, big, round, thick button.”と書くことができます。
私自身が英作文を書くときに、My button is black. (私のボタンは黒いです。)のように物の状態を説明する形容詞を1つしか使ってませんでした。
「なくした ボタン」では、ヒキガエルくんが自分のボタンが見つからないことにイライラしているから、説明がどんどん長くなっているだけという見方もできます。しかし、2,3個の形容詞を組み合わせて使うことで英語でも物の状態を表現できるとわかった作品でした。
4.『SWIM』
4.「すいえい」
あらすじ
Frog(アマガエルくん)とToad(ヒキガエルくん)が川へ出かけたときのこと。Frog(アマガエルくん)は水着を着ないで、川へ飛び込みました。一方Toad(ヒキガエルくん)は水着に着替えて川へ入りました。このとき、Toad(ヒキガエルくん)は自分の水着姿はとてもおかしいから見ないで欲しいとFrog(カエルくん)へお願いします。Frog(カエルくん)は言われた通りにToad(ヒキガエルくん)が川へ入るまで目を閉じてました。ところが、川から出るときに周辺にいた動物たちがToad(ヒキガエルくん)の水着姿を見たいと集まります。Frog(カエルくん)はどんな行動をとるのでしょうか。
〇使われている文法(不定詞の意味上の主語)
Toad(ヒキガエルくん)が川から出るとき、近くにカメがいたので、
“I do not want him to see me in my bathing suit when I come out of the river.”
himはカメです。
「僕は、カメに水着を着ているところを見て欲しくないんだ、川から出るとき」
want to 動詞 「動詞したい」
不定詞toの前に名詞(代名詞)を入れると
動詞(動作)をするのが誰であるか表すことができます。
I want to see (私は見たい)
I want him to see (私は彼に見て欲しい)
I do not want to see (私は彼に見て欲しくない)と訳すことができます。
5.『THE LETTER』
5.「おてがみ」
あらすじ
Frog(アマガエルくん)がToad(ヒキガエルくん)のためにお手紙を送るお話です。ある日、FrpgがToadの家へ行くとToadは悲しい表情で玄関から外を眺めていました。FrogがToadへ悲しそうにしている理由を尋ねるとToadは今まで1度も手紙をもらった事がなく、手紙を待つ時間は悲しい気持ちになるとの事でした。FrogはToadに元気になって欲しくて手紙を書きます。どんなお手紙を書くのでしょうか。
〇使われている文法(否定の疑問文)
“I never get any mail.”
「1度も手紙をもらったことがないんだ」と言ったToadに対して
Frogが”Not ever?”「1度も貰ったことないの?」と尋ね
Toadが”No, never.”「そう、1度も貰ったことないんだ」と答えています。
日本語だったら、否定で尋ねられたとき
「貰ったことないですか。」に対して
「はい、貰ってません」と答えますが
英語の場合、「貰ってません」という内容が否定になるのであれば、Noと答えます。
日本語に訳して考えると、とても分かりづらい表現方法です。
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