サリーのこけももつみ

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『サリーのこけももつみ』

ロバート・マックロスキー ぶん え

石井桃子 訳

英語の題は『BLUEBERRIES FOR SAL』

By Robert McCloskey

あらすじ

 サリーとサリーのお母さんは、冬に食べるブルーベリーを摘むためブルーベリーの丘へバケツを持って出かけます。お母さんは冬に食べる食料に困らないよう集中してブルーベリーを摘みます。サリーもお母さんが摘むように1粒摘んではバケツに入れ、またもう1粒摘んでは口に運びながら進みます。しかし、歩き疲れたサリーは座ってブルーベリーを食べ始めます。

 一方で、ブルーベリー丘へはサリーの親子とは別にクマの親子が来てました。彼らもまた長い冬に備えてブルーベリーでおなかを満たそうとしてます。母クマはゆっくりとブルーべリーを食べながら進みます。子グマは母クマを追いかけながら進みましたが、ブルーベリーを食べるとき、立ち止まって食べました。そのため、食べ終わると母クマのところまで走って追いかけるのでした。そうしていると、子クマはサリーと同じように歩き疲れ座ってブルーベリーを食べ始めました。

サリーと子グマがブルーべリーを食べ終わるころ、彼らはそれぞれのお母さんを見失ったことに気づき周囲を探します。ところが、サリーも子グマもお互いのお母さんを取り違えます。サリーは母クマを子グマはサリーのお母さんを追いかけて進みます。彼らは自分たちのお母さんを見つけることが出来るのでしょうか。

①不定詞(形容詞enough to do )が使われてます。

~するのに十分形容詞だ。

子グマがサリーのお母さんに追いつくと

Little Sal’s mother slowly backed away.

(She was old enough to be shy of bears, even very small bears like Little Bear.)

直訳すると、「サリーのお母さんはクマに対しておとなしくなるのに十分な年齢です。」

意訳すると日本語版の絵本では、下記のように訳されてます。

「”サリーのおかあさんは、おとなでしたから、たとえ ちいさなくまでも、くまには 手だししないほうがいい ということをしっていました。”」

クマに対して内気であるを、クマには手だししないほうがいいと表現されてます。

②small bears と Little Bearの違い

一般的にクマ(bear)は1匹2匹と数えることができます。数えることができる名詞は可算名詞と呼ばれます。クマが1匹のときは a bear、2匹以上のときには複数形のsをつけてbearsと表されます。

small bear(小さなクマ)は、一般的に2匹以上存在する動物なので複数形のsをつけて、small bearsと書くことで一般的な小グマ全体を表すことができます。

一方でLittle Bearは、この物語に登場する小グマ1匹を指しており、名前と同じように使われている名詞であるため、複数形のsはつきません。

参考:日本語版絵本の題名『こけもも』

英語の題名ではBLUEBERRIES(ブルーベリー)と表現されているのに対して、日本語ではこけももと表現されてます。この絵本が翻訳されたときにブルーベリーという果実が日本になかったのかなど詳しいことはわかりませんが、ブルーベリーとこけももは異なる実を指すようです。コケモモという木から育った実をリンゴベリー(こけもも)というそうです。

ロバート・マックロスキーさんの絵本は絵がとても繊細に描かれており、絵を見ながら物語を読むことができるので、次回も同著者の『海べのあさ(One morning in Maine)』を紹介します。

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