出典
breaking dawn(ブレイキングダウン)
Stephenie Meyer(ステファニーメイヤーさく)
参考資料
小原亜美さんによる翻訳版の『トワイライトⅢ』
「Oxford Learner’s Dictionaries」
目的
物語の真意に迫る
趣味の読書記録です。作者が物語を通して伝えたいことは何か私なりの考えを書いています。
主な登場人物
イザベラ・スワン:物語の主人公(物語の語り手)
エドワードの婚約者
エドワード・カレン:”冷人族(vampire)”
ベラの婚約者
ジェイコブ・ブラック:”キラユーテ族(狼人間に覚醒する青年)”
ベラに想いを寄せている。作中ではエドワードと対比する性質を持つ人として描かれてる
第1章 ENGAGED(婚約)
“engaged”とは
Oxford Learner’s dictionariesによると
having agreed to marry somebody
⇒誰かと結婚することを同意すること
ジェイコブの失踪
前作でエドワードとベラが結婚をすることを知ったジェイコブは、家出中と書かれています。
冷人族であるエドワードとキラユーテ族であるセスは前作第24章で協力してヴィクトリアとライリーと戦ったことで友情が芽生えているとベラは思っているようです。そのため、異なる部族であっても歩み寄ることが出来ると感じているようですが、エドワードとセスの場合は、”新生吸血鬼一団からベラを守る”という目的が一致した仲間であると私は思います。セスは、ベラへ好意を持っていないため目的が一致した仲間としての絆ができたのだと思いました。
ジェイコブもエドワードと”新生吸血鬼一団からベラを守る”という目的が一致した仲間であることに変わりは無いのですが、彼がベラへの好意を持っていることがセスとの違いだと思いました。
両親の同意
エドワードは、チャーリーへベラと結婚すると伝えるときに”本来なら、まずお父さんにお願いするべきところでした”と言いました。これは、結婚式で花嫁の父親がバージンロードで隣を歩くという決まりと同じことを意味すると思われます。女性側の父親の立場としては、結婚は娘が自身の家系から外れるということがあるため、男性は結婚の許しを得るときにまず、女性の父親の許しを得るという順序になっているのだろうと思いました。
ベラは彼女の母レネから結婚について反対されるのではないだろうかと心配していたため、レネが彼女が離婚したという経験については”レネの問題”であり、ベラは全く別の人間であるため、レネと同じ過ちは繰り返さないだろうと伝えていました。”この春に会いに来てくれたときにはすっかり、ほら、まとまっている感じだったから”とベラへ話している様子から、本当にベラのことが好きであれば、彼女の幸せを一緒に喜ぶのだろうと感じた場面でした。
人間らしさ
作中では、人間離れした身体を持つ”冷人族 ”のエドワードや狼へ覚醒する”ジェイコブ”などが登場するため、ベラは身体的な特殊能力を持たない”人間”として描かれています。
作中で度々書かれる“human”とは
Oxford Learner’s dictionariesによると
adjective/形容詞
showing the weaknesses and desires that are typical of people, which means that other people should not criticize the person too much
⇒人々に典型的な弱点や欲求を示すことは、他の人々がその人をあまり批判してはならないことを意味します。
誰もが持つ”弱み”を他の人が批判するべきでは無いことだと私は捉えました。
第2作第1章で”エドワードとアリスはこんな風に避けられても、おかしいともつらいとも思ってない。あたしならきっとそう思ってしまう。でも、ふたりはほとんど気にもとめていない。”と、冷人族のエドワードとアリスが人目を気にしていない様子が描かれています。
ベラの場合は、学校ではクラスメイトの視線を気にしており、結婚に関しては彼女の両親がどう捉えるかを気にしていました。度々書かれている”人間らしさ”という単語は”他者の視線”という意味なのか考えさせられる描写でした。
第2章 LONG NIGHT(長い夜)
ベラとアリスが対比する人として描かれている?!
”あたしの頭のなかの秘密を守ってくれる機能障害にはホント感謝している”
この作品では、エドワードはベラ以外の人の頭の中を読み取ることは出来るけれど、ベラが考えていることを読み取ることが出来ないと書かれています。
一方で、彼の姉として描かれているアリスとは第1第のときから意思疎通しており、彼らはベラには聞き取ることが出来ないような速さでやり取りをする様子が描かれていました。
この様子を見ているとエドワードとジェイコブが対比する性質を持つ人として描かれているのと同様に、ベラとアリスが対比する性質を持つ人として描かれている可能性があると思いました。
自分自身の子どもへの考え方
ベラ
”エズミとロザリーはうまくやってるじゃない。あとで問題になったら、エズミみたいにすればいい。養子をもらうのよ”
⇒私もベラに近い考え方をする人だと思いました。私自身が学生時代、英語の先生になりたいと思っていたことがあるためか、私自身の子どもでなくても子どもと関わることは出来ると思っていたからかもしれません。
エドワード
”そんなの、おかしいだろ!ぼくのためにベラが犠牲を払うなんていやなんだ。ぼくはベラに与えたい、取りあげるのではなく。未来を奪いたくない。ぼくが人間だったらー”
⇒エドワードはベラが彼女自身の子どもを得ることが幸せであると考えているようです。
彼はベラが妊娠をしていたらと話していました。
そうであれば、第3作第20章でベラがエドワードに対してとろうとした行動は、彼女が子どもを望んだという訳ではないようだと私は思いました。私はベラの年齢18歳のときに男子生徒と関わることがなかったからか彼女が取ろうとした行動が理解し難いと思いました。
ターニャの家族
カレン家の人々にとって家族にいちばん近い存在であるとエドワードは話しています。カレン家の人々と同様に人間を狩らない生き方をしていると書かれています。
ターニャは以前、エドワードを好きになったことがあるということをベラは知っているため、エドワードを好きになった者同士が会うことについてベラはモヤモヤした気分になるだろうと推測しています。
一方でエドワードは”これだけ歳月が流れても親をなくした子どもの気持ちは消えないんだ”と話しているため、彼もスペイン風で彼の両親を亡くしているため”同じ悲しみ”を感じたことがある者同士であり、兄弟や親戚の一員ような人として捉えているように感じました。
エドワードは17歳の少年?!
カーライルは”不滅の子どもたち”と呼ばれた2歳で吸血鬼へ転生した子どもたちのことを説明するときに”発育はかまれた時の段階でとまってしまう”と話していました。
エドワードは、大人になる1歩手前で発達が止まったのかと思った理由は、私が高校生の時に進路指導の先生から”高校生はまだ子ども”と説明を受けたことがあったからです。彼がベラを好きになったことでどのようにふるまうようになったかの成長を描いている可能性があると思いました。
大学時代の先生からは”イギリスは階級社会だから使っている英単語でその人の教養が分かる”と指導を受けたことがありました。英文ではエドワードとベラが手書きでやり取りをする場面も書かれていますが、エドワードの文字が他の人よりきれいに書かれているのは”教養がある”という意味かもしれないと思いました。
吸血鬼へ転生した2歳の子どもをしつけることが出来なかったと書かれているのは”どんな子どもでも2歳では決まりを守ることが難しい”という意味だと思います。大人は秘密を口に出さないというメッセージが含まれているように感じました。
第3章 BIG DAY(婚礼の日)
参列者の舌うちや咳ばらい
エドワードとベラの結婚式の様子が描かれています。彼らがキスをするとき、参列者の中には舌打ちや咳ばらいをする人もいたと書かれています。喜ばしい場面のようですがそう感じられない人もいることを描いている場面のように感じました。
ベラは彼女の家族や友人から暖かく迎え入れられたと書かれています。私が驚いたのはベラの母レネが涙を浮かべて喜んでいる様子を描いていることでした。これは彼女がチャーリーと別れたけれどフィルというパートナーがいるため喜ぶことが出来るように感じました。
ベラの父チャーリーは、彼女とバージンロードを歩く様子が描かれています。彼は”ベラの手をエドワードの手にゆだねた”と書かれていたため、彼がベラとエドワードの結婚を認めたことを描いているように感じました。
19世紀が舞台?!
第1作第13章にエドワードは1901年にシカゴで生まれたと書かれています。彼の両親は19世紀を生きた人だと思われるため、19世紀が舞台として描かれていると思われます。
本章でベラが着ているドレスは、彼女の愛読書としている作家ジェーンオースティンのもののようであると彼女の母であるレネは感動しているようでした。
私は以前、趣味の読書の話をしたとき例えば、日本人作家では夏目漱石や芥川龍之介のような国語の授業で扱い長く読まれている作品の方が価値が高いと助言を受けたことがありました。
そのため、第1作第1章で”Bronte,Shakespeare,Chaucer,Faulker”などベラが通う学校の国語の授業で扱われる作家が書かれていたため、それらの作品は長年読まれる作品であると思っていたのですが、現在は英語で読む作品として例えば、ハリーポッターなどの現代読まれている作品を考えています。
第4章 GESTURE(花嫁の友人)
デナリの吸血鬼
ターニャ:ストロベリー色の入ったブロンドの巻き毛
ケイト:女性トウモロコシの穂のようにまっすぐなあわいブロンドのロングヘア、ゴールドの瞳
カルメン:女性、黒髪、ゴールドの瞳
エリザエル:男性、黒髪、血の気のない浅黒い肌
ターニャは以前、エドワードのことが好きだったと書かれています。彼女は、エドワードがベラと結婚することを知っても”「まあ、エドワード。会いたかったのよ」”と親しげに挨拶をしたと書かれています。
彼女はベラに挨拶をするときも”歓迎するわ、ベラ”と挨拶をしたと書かれていますが、その時の彼女の表情は物憂げだったと書かれています。作中では吸血鬼として描かれる人たちは容姿の良い人として書かれているため、ベラは彼女の容姿に不満を感じているようです。吸血鬼として描かれている人たちの容姿が良い理由は、主人公ベラの主観なのか、作者の意図があるのかは未だ明かされていません。
セスとジェイコブ
第3作第25章でセスとライリーの戦闘は途中ライリーが優位になっていた様子についてベラへ”セスはケガをしたふりをしただけ”と話していましたが、この言葉はエドワードからセスへの気遣い”だと私は思いました。このとき、セスはエドワードに対して”敬意”が芽生えたように見えました。
一方でジェイコブは、エドワードに対しての敬意はなくベラに対しての”好意”を持っていると思います。彼は本章の披露宴でベラとダンスを踊ったあとにエドワードへ”この手で殺す”と憤怒に燃えていたと書かれていました。”悔しい”という気持ちの大きさを示した言葉だと思われますが、言葉遣いが荒いように感じました。
セスとサム
ジェイコブがエドワードへ”この手で殺す!”と言ったときに”「セス、どいてろ」”とエドワードが命じました。この描写からも彼らの間には”師弟関係のようなもの”があるように感じられました。
この時、サムは”「よせよ、ジェイコブ。行くんだ。ほら」”とセスに加勢し、ジェイコブを抑えつけました。サムもセスと同様にエドワードに対して敵意は向けていないと思われます。
ジェイコブとセスのときと同じ感情が起きているとすると、サムもベラに対して好意を持っていないため異なる部族間でも対立することなく新生吸血鬼一団との戦いにも協力することができたのだと思いました。
第5章 ISLE ESME(エドワードの母名前)
エドワードの母名前
Oxford Learner’s dictionariesによると
“esme”とは
a first name for girls
⇒少女の名前
エドワードの母の名前がエズミですが、”エズミ”という名前は一般的な少女の名前のようです。
”ほかのすべてとおなじように、身体的にも相性がよかった”とは、第3作第20章の行動を意味すると思われます。映画の表紙にベラに女の子が産まれている写真が映っていました。本章がその鍵となると思われます。
ベラが人間であること
”転生するまでベラを抱くつもりはない。二度と絶対に、傷つけたりするもんか。”エドワードは、第3作第20章の行動をベラが人間であるときにとるべきでは無いと考えていたようです。
ただ、作中では吸血鬼に転生すると彼女の身体が変わると書かれているので、転生前であったことで彼女は子どもを授かると思われます。
第6章 DISTRACTIONS(娯楽)
Oxford Learner’s dictionariesによると
“distractions”とは
a thing that takes your attention away from what you are doing or thinking about
⇒あなたがしていることや考えていることからあなたの注意をそらすもの
ベラの気をそらすもの
前章で、ベラは彼と第3作第20章の行動をしたと書かれています。その章で、彼女は妊娠を望んでいたわけではないようですが、エズミ島(エドワードの母の名前)であるため彼女が妊娠したことが予想されます。ベラにとってはいい気分だったと書かれていますが、エドワードは、その行動がベラを傷つける行動であると思っているため、彼女が人間であるときにすべきで無いと考えていると書かれていました。
彼は、彼女が吸血鬼に転生してから第3作第20章の行動をとりたいと思っていたようです。しかし、彼女が吸血鬼に転生するのを先延ばしにしたいと話しているため、彼女の気を逸らすため、シュノーケリングをしたと書かれています。彼女は吸血鬼に転生する前に出産することが予想されます。
私の場合、気をそらすものが英語だと思います。なぜなら、英語にはアクセントがあり強く発音出来るからです。ただ、私は自分が考えていることを全て英語で話したり聞き取ることができないため、まだまだ勉強中です。趣味で読んでいる洋書も翻訳を見ながら読んでいます。そこには今まで習ったことがない単語がたくさん書かれていることが素晴らしいと思います。
人間らしさ
私の場合、”人間らしさ”は、”会社員としてのルールに従って私自身が下の立場に下がることだと思いました。
吸血鬼になることは、フリーランスになることだと思います。私自身の強みである”英語”を強く推すとだと思います。そうすることで私自身が上(いつかは海外の人と内容の濃い話
をしたいのだ)に行きたいのだと思いました。
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